Project Story プロジェクトストーリー
01

山梨から東京、世界へ。
先人たちが築いた
顧客基盤と挑戦心で、
知られざる価値と魅力を届ける
飛鳥プロジェクト

「観光価値創造業」の実証実験のひとつとして、豪華客船「飛鳥」の出資者であるアンカー・シップ・パートナーズ株式会社と連携。山梨県のブランディング強化と認知拡大による観光消費額の拡大などに取り組んでいる。
これまでに、清水港(静岡県)に寄港した「飛鳥II」の乗船客向けツアーや、山梨県のジュエリー産業の認知拡大・ブランディングに向けた飛鳥クルーズオリジナルジュエリーの企画を担当。
その中でも今回注目するのは、2025年7月に就航したクルーズ船「飛鳥III」の新企画「ASUKAIII meets 47 都道府県」。
山梨と東京に展開する同行ならではの強みを活かし、ミッドシップスイートの1室を「山梨ルーム」としてプロデュースするとともに「東京ルーム」の企画協力に携わった。

Member

※紹介行員のインタビュー内容・所属等は取材当時のものになります
Episode 01

空港も港もない山間地の
観光誘客を考え、
豪華客船への大型融資を実行

豪華客船

(Y.U)
富士山がある山梨県には、毎年多くの観光客が訪れます。日本国内屈指のインバウンド受け入れ率も誇りますが、その多くは東京からの日帰りツアーのお客さまなんですね。山梨県内には空港も港もありませんから、アンケートを取ってみると「富士山は東京にあると思っていた」なんて声が寄せられることもあるくらい。滞在時間が少ないので県内での消費額も圧倒的に少ないのが課題です。山間地にあって空港や港ができる可能性は極めて低いとなれば、港のある静岡県や空港のある東京都から人を呼び込み、滞在時間を長く、消費額を多くする必要がある。これが今回の飛鳥プロジェクト参画の背景にある当行の課題です。

「飛鳥」とは日本を代表する豪華客船の名称で、現在は「飛鳥II」と「飛鳥III」が運行しており、1泊2日の短期クルーズから100日以上かけて世界を巡る長期クルーズまで、日本発着の多彩で優雅な船旅を提供しています。最高品質のエンターテイメントや食事が提供され、スパやプール、ショップ、スポーツ施設などが入る客船ですから、当然、造船には多額の資金を要します。本プロジェクトの舞台となる「飛鳥III」も、2019年頃から、アンカー・シップ・パートナーズ株式会社がさまざまな銀行に資金対応を打診していました。

しかし2019年といえば、世界では新型コロナウイルス感染症の感染者が出はじめ、日本でも「横浜港に停泊している船で発症者が出た」というニュースが連日メディアを賑わせていましたよね。渋い反応をする銀行も多かったようですが、当行の担当者は「疫病はいずれ収束するし、海のない山梨県だからこそ、この決断が新しいお客さまを呼び込むきっかけになるはず」と上層部を熱く説得し、かなり初期段階で資金対応を決めています。山梨中央銀行って、当時の地方銀行の中ではとても保守的で慎重な銀行という評判があったんですね。「あの山梨中央銀行が融資を決めた」と業界的にもかなりインパクトがあり、出資を集める呼水になったと聞いています。

Episode 02

クリエイティブの力で、
自ら「まだ知られていない山梨の価値」を発信

豪華客船

(Y.U)
私は山梨にいて、飛鳥とのコミュニケーション窓口を担っています。飛鳥IIIへの資金対応を決めてからも積極的に対話を重ね、一緒に企画を組み立ててきました。飛鳥クルーズ自体が「地方創生」や「地域活性」を大切にしているので、まだ知られていない日本各地の伝統文化、工芸品を発掘して届けることは、先方にとっても価値になる。乗船客は60代以上の国内富裕層が中心で、その多くがリピーターです。飛鳥クルーズと行った山梨県身延町のツアーや、オリジナルジュエリーの企画は、まさに「まだ知られていない山梨の魅力」に触れていただく企画になったと思います。

そうしたなかでご相談をいただいたのが、「ASUKAIII meets 47 都道府県」です。スイートルームのミッドシップスイートと呼ばれるお部屋に、都道府県ごとコンセプトを作り、内装を施す。当行も山梨の魅力ある商品や事業者を紹介するチャンスと捉え、前向きに参加を決めました。初期はまだ造船計画が発表される前でしたから、当然企画もシークレットに進める必要がありました。営業統括をしている各地区本部に概要を伝え、「情報の取扱いには十分注意するように」と話しながら商品をピックアップしたのが記憶に残っています。

銀行の業務上、日頃から企業の経営者層とお話をする機会は多く、ものづくりの現場を見学することや地域の特産品に触れる機会は沢山あります。普段から地域にある会社を深く知ろうと心掛けていますから、規模として飛鳥のオーダーに耐えられる事業者や、品質として山梨県を代表できる事業者をしっかりピックアップできたと思います。山梨らしさを感じていただけるように、ウェルカムフードには有機農法で作られたこだわりの果物を使ったドライフルーツや高級葡萄ジュース、富士山麓の織物や、鹿皮に漆で模様をつけた「印伝(いんでん)」と呼ばれる工芸品など、10事業者11品目を集めました。

ルームのコンセプトも現場に委ねられていたので、チームで話をし、景観や温泉など山梨の自然にフォーカスして「心ほどける山梨、五感で味わう上質な時間」というテーマも作りました。行員としては馴染みの少ないクリエイティブ領域でしたが、紹介に用いるコピーやリード文を書いたり、HPに掲載される写真を撮影に行ったり。船内で流れるPR動画の企画制作も担当するなど、企画のゼロイチを多く経験できたのも新鮮でした。

Episode 03

山梨と東京を繋いで
生まれた可能性が、
広く世界へ繋がっていく

Y.E

(Y.E)
東京ルームは、そうした関係性の土台があった上で、短期間でスピード感を持って取り組んだ企画です。なんでも揃う東京は、逆に地域の特色が打ち出しづらく、企画協力事業者の選定が難しかったと聞いています。工芸品やアート作品に関しては、飛鳥III船内の著名作家の作品提供に協力されている事業者のプロデュースが決定したものの、東京ルームのみウェルカムスイーツやドリンク、化粧品などアメニティがまだ決まっておらず困っていると地方創生推進部から相談を受け、当行のウェルスビジネス部(当時は東京推進部所属)がバトンを受け取りました。都内17店舗における顧客基盤の強みを発揮できるということもありますが、東京ルームを山梨の銀行がなぜ?と融資の背景や今までの担当者の想いなどもヒアリングし、当行にご相談いただけた理由は、関係者が築いてきた信頼によるものだと、お客さまからの期待に応えたい気持ちが強く湧いたことを覚えています。
部屋のコンセプトは「江戸から受け継がれるストーリー」。室内には人間国宝の方が手がけた置物や壁掛けが置かれ、それに見合う商品を集めるのが私のミッションでした。ウェルスビジネス部は日頃から都内上場企業を中心に経営トップとのお取引が多く、決裁権を持つ方に直接アプローチできるのが強みです。相談を受けてから締め切りまでかなりタイトなスケジュールであったことに加え、せっかくお声がけしたのに先着順で別の事業者で決定しましたとお断りすることは失礼になると思い、ドリンク、化粧品、スイーツ、その他のカテゴリごとにリストアップして行内で調整を行い、お客さまにご案内しました。いずれもトップの働きかけでご担当をおつなぎいただき数日で商品提供が決定、短期間で納品までスムーズに進められたのはトップ商談ならではだと思います。

ご協力いただいたお客さまが「飛鳥IIIで採用」というプレスリリースを出され、他のお仕事で新規取引につながる動きがあったことの報告を受けており、営業支援のきっかけを作れたことをうれしく思います。人と人の出会いや信頼関係が新しいお仕事につながり、それがまた地域ブランディングを底上げし、各企業の活躍が世界に広がっていく。ダイナミックな仕事に携われるのは、目先の目標や自社の目標だけを追うのではなく、10年後、20年後の課題解決につながる仕事をしなさいと言われている当行ならではの魅力だと思います。

Episode 04

銀行という概念にとらわれず、
行内にも地域社会にも
新たな挑戦を

Y.E

(Y.E)
私が山梨中央銀行に入行したのは、2年前の2023年です。「新たな価値の創造や社会を変えていく」という志を持って仕事をしてきて、堅苦しいイメージをもっていた金融業界を就職先として考えたことはまったくありませんでした。ただ、前職時代に当行と接点を持ち、様々なやり取りをする中でそのイメージが払しょくされていきました。

扱う商材が「お金」のため、あらゆる業種の法人のみならず、個人とも接点が持ちやすい。さらにストックビジネスのため、収益が安定しており、顧客と長期的な関係を築けるのも魅力です。地方には、高齢化や人口減少、後継者不足による産業の衰退、賃金格差、交通・インフラ脆弱化などさまざまな課題がありますから、これからは地方銀行が果たす役割も変化していくのではないか、とそんな課題感から、思い切って転職を決めました。今回のプロジェクトのように、新しいことへの挑戦を前向きにとらえ推奨している経営陣の影響も大きいと感じています。

もうひとつお話できるとすれば、私は、山梨出身者ではありません。県下唯一の地方銀行なので、県内出身者が多いのは事実ですが、そうではない方も活躍できることをお伝えしたくて。都内にも19の拠点があって東京地区限定の勤務も選べますし、山梨県で地方創生の成功事例を作り、地元に持ち帰って活躍するという選択もあるかもしれません。東京隣接県である山梨だからこそ実現性が高い施策もあると思います。違う見方をすれば、当行は山梨から逃げることはできませんので、施策を成功させる責任も覚悟も大きいです。施策を検討し、導入するのがゴールではなく、その先の成功、つまり経済活性化、強靭化を目的としているため、より本質的な施策に取り組むことができます。目先の自分たちの売上や利益だけではなく、地元が豊かになることで、結果的に当行の仕事につながるという懐の広い考えもあります。自らもリスクを負い挑戦し、やりきる、成功させる、その積み重ねが今の当行の信頼につながっていると感じます。

Episode 05

先人たちが築いてきた
歴史をもとに、
これからのローカルグッドを実現

Y.U

(Y.U)
山梨中央銀行は日本で9番目に設立した歴史ある銀行です。かつて山梨には「甲州財閥(こうしゅうざいばつ)」という大きな財閥があり、先見の明を持って東京に進出しました。全国の電鉄会社や電力会社等、街のインフラを担う多くの会社に投資をした財閥ですが、その時に当行も一緒に東京進出をし、街の景色を描いてきたといいます。だからこそ、今の当行の顧客基盤はとても厚いんですね。

Y.U

「東京は東京、山梨は山梨」と分断されていた時代もありましたが、山梨の経済を助けるためにできることはまだまだある。そうした思いから山梨・東京コネクトという新しい取り組みが始まり、ホテルやワイナリー、半導体製造装置、富士山を含む豊かな自然など、山梨県が持つポテンシャルを引き出すための動きが活発化しています。近年になって「保守的だ」といわれていた当行ですが、これからはダイナミックや変革など、挑戦的なメッセージを伝えていけたら嬉しいですね。ローカルグッドを実現し、山梨から全国に、新たな価値を届けていきましょう。

Y.U
飛鳥Ⅲ外観写真

「ASUKAⅢ meets 47都道府県」プロジェクト山梨ルームの紹介はこちら
https://a47.asukacruise.co.jp/yamanashi/

「ASUKAⅢ meets 47都道府県」プロジェクト東京ルームの紹介はこちら
https://a47.asukacruise.co.jp/tokyo/

Other Story 他のプロジェクトストーリー